Press Roomおしらせ
武蔵野大学
201706/29
事例紹介
全学部混成クラスで多様な価値観にふれ、
チームビルディングを体験。
教養教育システムへの順応を促す
■導入の背景
大学全入時代の到来で、受験勉強を経験せずに入学してくる学生が増え、「自己肯定感」、「自己効力感」が弱まり、「自分に自信が持てない」学生が増えているのではないか―武蔵野大学様では入学者に対して、そのような印象を抱くようになられていました。
そこで、人と異なることや失敗することを恐れず、主体的に行動する意欲を芽生えさせるきっかけづくりのために、弊社の『自己の探求Ⅰ』のプログラムを、選択科目の一つとしてご活用いただいておりました。
折しも新たに有明キャンパスが開設され、学部・学科でキャンパスが二分化されることが決定。学生が大学という大きなコミュニティの一員であることを意識しづらい環境になることも懸念されていました。
■課題と提案
大学としての一体感を損なうことなく、教育の質も保証せねばならぬという課題に直面。その課解決のために、武蔵野大学様は初年次教育において独自の教養教育システム【武蔵野BASIS(ベイシス)】を導入されました。
これは学生に学部・学科の枠を越えた学び合いの体験を通して「知のインパクト」を与えることを目的とする、全国でもユニークな取り組みです。
専門教育を学ぶ前の全学部の1年生を武蔵野キャンパスに集め、学部学科をシャッフルしたクラスを編成。自分とは異なる考え方やものの見方をするメンバーで学びを深めることで、学生は広い視野や実践的なコミュニケーション力やチームワーク形成力といった社会で活躍するための自己基礎力を身につけていきます。
その【武蔵野BASIS】の導入科目として、弊社では新入生全員対象に『自己の探求Ⅰ』を実施することを提案させていただきました。
入学して間もない時期の学生に欠けているものの一つに「自己理解」が考えられます。大学入学以前の体験やそれによって形づくられた価値観を自覚しながら、違うバックボーンを持つ他者とコミュニケーションをとることには、高いハードルがあって当然です。そこでこのプログラムでは、さまざまなグループワークを通して自分を開示したり他者からフィードバックを得たりすることで、自己理解、他者理解、相互理解を深めながら、チームビルディングを体験することをねらっています。
初対面の人とのコミュニケーションの糸口を見つけたり、自分とは異なる多様な価値観に触れたり、他者と協力しながら課題解決に取り組んだりするプロセスは、【武蔵野BASIS】での学びにも通じる体験となります。新入生にとっては友達づくりのきっかけにもなるため、コミュニティへの帰属意識や愛着を醸成する機会にもなっているようです。
■取り組み内容(活用した商品)
・『自己の探求Ⅰ』
■お客様からの評価
✔【武蔵野BASIS】の「基礎セルフディベロップメント(講義→グループワークの授業)」が成り立つのは『自己の探求』のおかげだ。
✔ 2016年度から実施したフィールドスタディは、『自己の探求』なしでは活動しえない。
✔社会的スキルを測る「KiSS-18」、自分に対してどのくらい自信を持てるのかという「自尊感情」、そして経済産業省が提唱している「社会人基礎力」の3つの指標を用いて効果を検証。プログラム実施後はどの指標においても著しい向上を示した。※
✔「自己理解」をチームで深めていく過程において、大学生活全体や専門分野、知識の学びの基礎となる「チームで学びあう」という教育的役割を担っていると考えられる。そして、能動的な自律的・自立的学習スタイルを学生に携えていく上で、『自己の探求』プログラムは、教員による一方的な受動的学習スタイルでなく、学生が自ら「挑む」ことにより学びが深まり、自分にしかない「学びの糧」を得ることができる授業プログラムである。※
※論文より引用/中村 剛 熊谷 太郎(2015.3)
「武蔵野大学における初年次教育「武蔵野BASIS」の効果 : 自己の探求プログラムの効果検証」『武蔵野大学教養教育リサーチセンター紀要 e Basis Vol.5 90,96-99』